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今週放送のTV番組「ガイアの夜明け」では、個人M&A特集が組まれ、3人の新米経営者の奮闘が紹介されていた。承継した事業を軌道に乗せるためには、「個人M&Aを選択した動機」「業種の将来性」「資金計画」「独自戦略による差別化」の4点が重要だと感じた。3人の状況は以下の通りだった。
20代の元看護師→ウエディングドレスのレンタル店
【動機】
子育てとの両立ができる働き方を求めた。
【将来性】
ウエディングドレス着用の文化(需要)が無くなることはないと確信。
【資金】
利子無担保のコロナ融資を使い攻めの投資を行う。
【戦略】
完全予約制、6ヶ月の長期レンタル制、新品ドレスのみを専門に扱うなど独自性を打ち出す。またプロのカメラマンにモデル撮影を依頼し、ウェブサイトを一新するなど、広告にも力を入れる。
40代の元旅行代理店勤務→学習塾
【動機】
教育に携わることが子供の頃からの夢だった。
【将来性】
塾がある大和市は人口が増加傾向にある。
【資金】
言及は無かったが、40代独身なので貯蓄は十分にありそう。
【戦略】
対面式のマンツーマン授業を徹底する。サラリーマン時代に磨いた英会話技能を生かして講師デビューを果たす。近所の住宅に8500部のチラシを投函するなど地道な宣伝活動を行う。
フリーターカップル→クレープ&タピオカ店
【動機】
人に雇われるのが嫌だった。地元のお店だった。
【将来性】
流行のタピオカドリンクに加えてクレープも取り扱っている。事業承継前から赤字経営だった。
【資金】
買収総額580万円のうち僅か30万円しか支払えず、毎月10万円ずつ前オーナーに返済を続けている。オーナー自ら現場で働いて人件費を抑えたり、他のアルバイトで得た稼ぎを売上に加えたりするも、赤字経営から脱せず。
【戦略】
アルバイトと相談のうえ商品と接客を改良。檸檬を使ったオリジナルドリンクを開発・販売。
まだ経営を始めてから1年も経過していないため、結論を出すのは時期尚早だとは思うが、最後のフリーターカップルのクレープ&タピオカ店は、そう遠くない未来に経営破綻すると思った。他の二人に比べて動機が安直、事業に懸ける熱意が弱い(飲食業を選んだ確たる理由が無い)、元々が赤字経営のお店なので相当工夫しないと黒字化は困難、にもかかわらず買収額は高額で割に合わない、返済金が毎月あるため大胆な投資を行う余力が無さそう、他店と差別化できるほどのアイデアが無い、前職で得た知識や技能を生かせていない、有効な広告宣伝活動に取り組めていない、などなど、「あちゃ~」と思う所がいくつもあった。このカップルは買収金を払い終えていないため、事業が頓挫すれば借金生活あるいは自己破産が待っている。そのリスクを覚悟したうえで買収を決意したのだろうか。二人で働けば何とかなるといった甘い考えがあったように思えた。僕は個人M&Aは失敗することも多々あると思っている。むしろ失敗することの方が多いと思っている。潰れるべき事業が、買収によって延命され、負のバトンが次のオーナーに引き継がれても、誰も幸せにならない。「ガイアの夜明け」には、個人M&Aの成功例だけでなく失敗例についても、公正に報道してもらいたいと思う。
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