02 | 2025/03 | 04 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 | 31 |
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
コロナウイルス感染拡大防止の緊急対応で、政府から「出勤者を7割以上削減するように」との要請が出されたが、これを実現できている組織は、ほとんどないと思われる。
出勤者を7割削減するには、在宅勤務の適用拡大が不可欠と考えられる。僕が勤めている会社は、年間売上高が1兆円を超える大企業だが、7割以上が在宅勤務できる体制は整えられておらず、現状では整う目途も立っていない。
まずモバイルPCの数が全く足りていない。事業部によって状況はまちまちだが、僕が在籍する課では20人につき10台ほどしか配備されていない。同じ人がずっと在宅勤務を続けると業務に支障が出てしまうため、現状は輪番制で在宅勤務を行っている。モバイルPCは社内で受け渡すため、平均で5台/日しか使えない計算となり、在宅勤務率は25%にとどまる。目標の7割には程遠い数字だ。
在宅勤務は働き方改革の手法のひとつとして礼賛される傾向にあるが、実際のところ業務効率は非常に悪い。当社ではほとんどの従業員にVDIを提供しているが、社内インフラ担当部門がサーバーリソースの見積もりを誤ったため、処理能力が格段に低下してしまった。通常のPCなら瞬時にできることが、VDIだと数秒以上待たされる。作業中にソフトが異常終了することも日常茶飯事だ。体感では1日あたり20分から30分ほどの時間ロスが生じている。在宅勤務者が増えてから状況は一層深刻になり、現在では定時内のうち半分ほどはVDI接続を禁止する運用を採っている。モバイルPCの大半はシンクライアントなので、VDI接続禁止期間はほとんど何も出来ない。しかしVDI接続禁止期間も電話は繋がり、会社に拘束されている状況には違いがなく、またVDI接続禁止期間の設定は会社都合の応急処置であるため、漫画を読んでいようが、コメディ動画を見ていようが、部屋の掃除をしていようが、労働時間にカウントされる。従業員の中には「VDI接続禁止措置のため、定時までに実質4時間しか働けず、仕事が終わらなかったため、やむなく4時間残業して挽回しました」などと尤もらしい理由をつけて、残業代を稼ぐ者もいるようだ。
会社はGW以降も現状と同規模で在宅勤務を続ける方針を示しているが、短期間で労働環境が劇的に改善されるとは思えない。大企業でもこのような有様だ。中小企業はもっと悲惨だろう。出勤者削減に協力したくても出来ない所が多いのではないだろうか。経済活動を停滞させることなく、出勤者を7割以上削減するためには、テレワークのインフラを整備する経済支援が必要だと思う。
