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新型コロナウイルスに対する政府の支援策はスピード感に欠けており、有効性も疑問符が付く。
アベノマスクは、マスクが品薄状態に陥り国民が本当に困っていた時期には届かず、国内の量産体制が整い購入制限はあるものの転売屋を介さなくても普通に買えるようになった頃に、ようやく届けられた。遅きに失したと言わざるを得ない。
特別定額給付金は6月下旬にようやく受け取れた。休業者を含めた失業率は4月時点で11%を超えていると試算されており、苦しい生活を余儀なくされた人達は、若い世代を中心に相当数に上ると見られる。たかだか10万円の給付では経済効果は大して期待できないだろう。定額給付は1度きりで終わらず、2度3度と繰り返すべきだと思う。
持続化給付金は手続きが煩雑で申請書類不備が相次ぎ、支給は滞りがちと聞く。自粛ムードの継続により、各業種の売り上げ低迷は長引き、中小企業を中心に倒産が増えていくだろう。名の知れた大企業で大規模な人員削減が断行されれば、不景気が決定的となって市場は混乱に陥り、関連会社や子会社が連鎖的に倒産することも有り得る。失業者が溢れれば民需は大打撃を被り、景気回復が後退することは間違いない。
7月22日から、国内観光需要を喚起するため、「Go To トラベル」が開始されたが、僕は当キャンペーンにはあまり期待していない。新型コロナウイルスの新規感染者は高止まりしており、国内旅行を自粛する雰囲気は強まっている。かような状況下では、たとえ金額が補助されたとしても、旅行に出掛けたいと考える人はあまり増えないと思う。最近マイクロツーリズムが注目されているが、近隣を対象とした旅行企画は充実しているとは言い難い。ゆえに観光関連事業の苦境はまだまだ続くと予想する。
個人的には「Go to Eat」に期待している。まだ細部は決まっていないようだが、当キャンペーンを成功させるためには、以下の条件が必要になると考えている。
① 地方を含む全国の飲食店に多数参加してもらう。
対象店舗に登録されるためには、どのような施策を行えばよいのか、具体的かつ明快なガイドラインを早期に公開すべきだ。キャッシュレス・消費者還元事業と同じくらいの店舗が対象になれば、探さなくても容易に対象店舗を見つけられるようになり、利用者は増えると思う。また全国展開している大手チェーンの飲食店やテイクアウトも対象に加えるべきだ。
② 積極的な宣伝活動を行う。
NHKで特集番組を放送し、「自炊するよりも外食する方がお手軽でお得」という風潮が生まれるように、効果的な宣伝を行えばよいと思う。また登録店舗には、一目でそれと分かるように、ポスターなどの販促物を配布するべきだ。
③ 食事券は購入した本人しか使えないようにする。
転売屋が食事券を買い占め、転売価格で市場に流すようになれば、飲食業の需要喚起効果は薄れてしまう。しかしフリーマーケットやオークションでの出品禁止を運営業者に通達しても、転売活動を制限することは難しいと思う。購入した本人しか使えない仕組みにすべきだ。
④ 販売チャネルを多数準備し、国民が購入しやすい環境を整える。
窓口販売だけだと、立地の差により購入の機会が平等に与えられない。また特にキャンペーン開始直後は大混雑によるトラブル発生が懸念される。ゆえにオンラインでも購入できるようにすべきである。むしろ窓口販売はやめて、オンライン販売のみに限定した方が、本人確認及び購入履歴管理が容易になり、事業運営費を抑制できると思う。
⑤ 額面を少額にする。
金券はお釣りが出ない仕様になるとのことなので、額面は625円(購入時500円)程度の少額にした方が使いやすい。また金券1枚単位で購入できるようにすれば、追加で買い求めやすい。
⑥ 席のみ予約も対象とする。
大半のコース料理は2名以上でないと注文できない。同居家族や友達がいない僕のような人間は、利用の機会が大幅に制限されるため、本当に勘弁して欲しい。
「Go To キャンペーン」は唐突に発表された印象が強い。政府の対策が後手に回っているように見えるのは、経済活動支援策のロードマップが示されてないからだと思う。新型コロナウイルスで売上が落ち込んだ業種は非常に幅広い。観光業や飲食業やイベント業だけを、あからさまに支援するのは公平性に欠けるし、それだけでは産業振興は果たせないと思う。その他の業種を対象とした経済支援策についても、早々に構想を立ち上げ、実行に向けた検討を進めていくべきだと思う。
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