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愛読している経済誌「プレジデント」の主要連載陣の一人、佐藤優。元官僚であり、日本を代表するインテリジェンスの一人だ。一度、著作を読んでみたいと思っていたが、どれもこれも小難しそうで躊躇していたところ、本書に巡り合えた。僕はアラフォー世代であり、50代突入まで10年ほど猶予はあるが、将来に向けた心構えを築くために、本書を手に取ることとした。期待通り、全編通して非常に平易な文章で書かれており、大変読み易かった。以下では特に印象に残った記述を御紹介したい。

 

    夫のDVで酷い目に遭って離婚した女性がいて、その後に理想的な伴侶と巡りあい、再婚したとしましょう。離婚した時点ではDV夫との時間は最悪の経験ではあったものの、そのつらい経験があったからこそ素晴らしい伴侶を見極める目が養われ、結婚することができたとも考えられる。すると、辛かった過去は意味のある大切な時間へと変化するわけです。

 

    人との接点が途絶えると、途端に社会から孤立してしまったかのように感じます。そのまま定年後の生活を送るのはとてもつらいものです。そうならないために、同窓会で人脈を再構築すること。50歳を過ぎた頃から、同窓会のお誘いが頻繁に来るようになります。新たな人脈を作るより、かつての古い関係を掘り起こす方が遥かに効率的です。

 

    上司からのプレッシャーがきつい。言うことを聞かない部下がいる。窓際に追いやられている。つまらない仕事ばかりやらされる・・・・・・。それでも、50代は何とかして会社にしがみつくのがベターだと私はアドバイスしています。

 

    これまで全く携わったことのない分野の大きなプロジェクトを任されそうになったら?「今の自分には荷が重い。能力も十分でない」と率直に訴えることです。そして「失敗すれば会社にダメージを与えることになってしまう」と、あくまで会社や組織の視点に立って訴えましょう。

 

    時には家族や夫婦で外食をしたり、旅行やレジャーに出掛けたりする。これらは決してムダづかいではありません。家族の絆を強め、将来お互いに助け合う関係を作るための立派な投資なのです。

 

    相続にかかる相続税を抑えるために、「生前贈与」というやり方をすることもあります。贈与を受ける額が年間110万円までは非課税。ですから、分割して何年かに分けて贈与を受け取る方法もあります。

 

    今のグローバリゼーションの揺り戻しが来て、英語が話せる人材より自国の文化をよく理解している人、国語に強く自国語で様々な表現が出来る人の方が重要視されてくる可能性がある。ですから、まずは国語をしっかり勉強するべきです。あとは数学を学ぶことによって、論理的な思考を身に付けておく必要性は言うまでもありません。

 

    親の介護の問題を考え始めたら、まずはインターネットで、地元の地域包括支援センターの連絡先を調べ、電話をしてみましょう。老人ホームなどの介護施設探しも、親が元気なうちから始めておいた方がいいでしょう。

 

    日本では少し批判的なことを書くとすぐ感情的になり、侮辱の応酬が始まる。議論することでお互いに知性をブラッシュアップするという感覚がありません。これからの時代、日本人が教養レベルを上げるには、欧米並みのディベート文化や健全な批判精神を育むことが大切になってきます。

 

    人生の壁や転換点、逆境に直面した時、宗教書や哲学書を紐解くことで、救いを得られることがあります。仏教の考え方には、自分の行い次第で運命を変えられるという自力の精神がどこかにある。一方、キリスト教では、運命の全ては神に委ねるという他力の考え方です。その時の自分の状態や状況に応じて、相応しい考え方を選ぶのでもいいでしょう。

 

    仏教では、生まれてくること自体が苦しみです。人間は前世の悪行によって再びこの世に生まれてくるが、その悪行を断ち、輪廻の輪から外れて涅槃に入ることが解脱であり、真の救いである。仏教ではそう教えます。一方のキリスト教では、人間はいったん死んで魂も肉体も無くなるものの、イエス・キリストが再臨した時に選ばれた人だけが復活すると教えています。輪廻もあの世も無いというのがキリスト教なのです。

 

僕は同年代と比べて昇進が遅く、会社からの評価はあまり高くないと自覚している。出世レースで大きく後れを取っているのだから、身を粉にして働いても、見返りは期待できない。与えられた仕事をそつなくこなすことに集中し、目立った言動を控え、定時になったらそそくさと帰る。30代前半から、そんな働き方をしてきた。佐藤優氏は、50代になったら、そうしたマイペースな働き方にシフトすることを推奨しているが、若手のうちはバリバリ働く必要があると説いている。しかし先に期待が持てない状況下で、バリバリ働くモチベーションを維持するのは難しい。会社にいながらドロップアウトを選択するのも、一つの人生戦略だと思う。10年先20年先も、左遷されることなく今の職場に居座り続けることができれば、それは立派な勝ち組だと言えるだろう。

年齢を重ねるほど友人が貴重な存在になることは理解している。僕は進学・就職を機に友人関係をリセットしてしまったため、10年以上、友人と呼べる存在は一人もいない。年賀状やSNSでの繋がりも無い。プライベートで一緒に遊びに出掛けてくれる人は、父と母しかいない。普通に考えると両親の方が早く亡くなるだろう。大学生の頃から一人暮らしを続けているので、日常的に誰かと会話をしなくても、特に不満は感じない。しかし他愛ない会話ができる人が一人もいない状況に陥った時、ふとした弾みに寂しさに襲われそうで、空恐ろしい。本書では、50歳を過ぎたあたりから、同窓会の誘いが増えて、人脈再構築のチャンスがやって来ると述べられていた。現実的には、そこに一縷の望みを託すしかなさそうだ。

遺言書作成や生前贈与は、是非して欲しいと思っているが、70代の父親は、投資や節税について驚くほど興味が無く、また日常生活に支障を来たす持病は無く元気に暮らしているため、終活を匂わす提案は反発が予想され、説得には骨が折れそうだ。生前贈与については、本書読了後に調べ、以下の情報を得た。参考に記載する。「相続税よりも贈与税の方が税率は高い」「ただし年間110万円以下の生前贈与は非課税となる」「死亡前3年以内の生前贈与は相続税の課税対象となる」「税務署に定期贈与とみなされた場合、贈与額の合計額に対して贈与税が課税される」「毎年、贈与契約書を作成し、金額と時期をずらせば、定期贈与とみなされにくい」

僕は独身なので親の介護のことを考えると気が滅入る。兄が一人いるが、兄も独身で、遠方で働いているため、地元で就職している僕に、介護の責が巡って来るのは自明である。理想はピンコロだが、介護問題とは高確率で向き合わなければならない。介護は遺産相続以上に話を切り出しづらいが、口火を切るのは子供の役目だと思う。理想的には、親が元気なうちに、一緒に地元の介護施設を見学したり、介護サービスの情報を集めて比較検討したりしたい。労働と介護の両立はハードルが高い。実際、毎週末片道4時間かけて実家に戻り、老親の介護に励んだ結果、瞬く間に体調を崩し、早期退職せざるを得なかった知人がいる。自分は同じ轍を踏まないようにしたい。今は新型コロナウイルスの影響で直接会う機会が激減しているが、感染が落ち着くと予想される来年あたり、旅行先などで、将来についてじっくり話し合いたいと思う。

ディベート文化が根付いている欧米人の中でも、特にフランス人は、自分の非を徹底的に認めないことで有名だ(参考)SNSや匿名掲示板で無配慮に攻撃的な書き込みを行い、反感を買うケースは、ドナルド・トランプ氏や橋下徹氏をはじめとした知識人にも多く見られる。教養の有無とはあまり関係が無いように思う。佐藤優氏によると、昔の日本人は今よりも教養レベルが高かったらしいが、昔の日本人は建設的な議論ばかりしていたのだろうか。僕は、インターネットの普及により、自分の考えを簡単に発信できる環境が出来てしまったために、生産性の無い愚痴や戯言が目につきやすくなっただけではないかと思う。

日本人は宗教に傾倒することを罪悪と感じている人が多いと思う。僕も同様で、寺社参拝を趣味としつつも、これまで宗教とは距離を置いてきた。仏教とキリスト教の違いもよく分からなかったが、基本的な考え方が異なることを知り、興味深く感じた。新しい見識に触れること自体が非常にワクワクする。個人的には、日本史、中国古典、日本神話は、じっくり学んでみたいと思っている。

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共感できる意見もあったが、「神経質過ぎるやろ・・・」とツッコミたくなる意見も多数見られた。時短に懸ける執念は狂気じみている。著者は究極の面倒臭がりだと思う。本書で推奨されていた方法が全て正しいとは思わない。時短テクニックに決まった型は無いと思う。自分がやってみたいと思ったことだけを試し、自分に適したマイルールを確立すればいいと思う。

 

    手帳は使わずにGoogleカレンダーで予定を一元管理し、TODOリストは備忘録として活用する。

この意見には同意する。僕は全社推奨ツールであるOUTLOOK予定表を利用している。他の社員と、休暇や出張や在宅勤務日などの計画を共有できるため、会議の日程アレンジが容易となり、会議室の予約も簡単にできる。重要案件のメール受送信日と締め切り日を入力すれば、依頼メールの検索時間を短縮できるし、期限の見落としリスクを大幅に軽減できる。予定の変更や繰り返し登録も難なくできる。OUTLOOK予定表でスケジューリングは十分果たせているので、手帳を使う必要性は特に見当たらない。TODOリストは、OUTLOOK予定表に書くほどでもない、具体的なタスクを記入するようにしている。事前にタスクを明文化しておけば、迷いなく業務に集中できるし、隙間時間や気分転換に別の業務を進めやすくなる。

 

    集中するために休日出勤する。

この意見にも同意する。当たり前のように平日に2時間も3時間も残業する人の気が知れない。僕は概ね7時半に起床し、8時半に出社しているが、16時頃から急激に集中力が落ち始める。人間の体力・気力は、それほど長続きしない。「夜になると頭が冴える」などと抜かす人は、日中に集中して仕事に取り組めていないだけではなかろうか。僕は余程急ぎの仕事が無い限り、平日には残業しないよう、心掛けている。資料作成など、纏まった時間が必要な仕事が溜まっている場合には、なるべく休日出勤を選択するようにしている。午前中のクリアな頭で仕事に臨む方が、短時間で高品質の資料を作成できると、経験的に自覚しているからだ。

 

    デスクトップにファイルを置かない。

これは同意できない。著者は「余計な情報が目に入ると気を取られて集中力が散漫になる」と言うが、ファイルを開いた状態ならば、デスクトップがアイコンで埋め尽くされていたとしても、目に入ることはない。僕は、使用頻度が高いファイルやフォルダのショートカットを、関連性が高いものを近くに纏めて、デスクトップに保存している。最上位階層(ドライブ)からアクセスするよりも、ダブルクリック回数を平均5回ほど短縮でき、目的のファイルに早く辿り着ける。

 

    靴下を一種類にする。

これは10年ほど前から僕も実践している。僕は靴下に穴が開く頻度が非常に高い。通常品だと酷い時は1回履いただけで穴が開いてしまう。ミドリ安全の安全靴用靴下に出会ってからは、概ね1年に1回、色違いを810足ほど一斉に買い替えている。片方だけ穴が開いたとしても、ペアを探すという不毛な時間に拘束されることはなくなり、満足している。

 

    優先順位をつけずに、期限を死守する。時間割を作成する。

これは何度読み返しても文意が理解できなかった。ビジネスパーソンは複数のタスクを同時に抱えるのが当たり前だ。全てのタスクを抜け洩れなく期限通りにこなすための手段が、優先順位づけだろう。時間割は優先順位づけを前提にしないと作成できないはずだ。

 

    期限を守らない人は、こまめに進捗を確認しよう。期限を守らせることも仕事のうちだ。

正論だが、人の意識や行動を変えるには、声掛けだけでは無理だ。僕は品質管理活動報告書の取り纏め役を拝命しており、毎月決まった時期に、担当者に実績を記入してもらっているのだが、何度フォローしても期限を守らない人がいる。報告書は課長経由で部長に提出せねばならず、なおざりにしてよいものではない。記入は恐らく5分もかからない簡単なものであるため、時間が無くて「できない」わけではなく、時間があるのに「やらない」わけだから、タチが悪く、癇に障る。なぜ期限を守らないのか問い掛けると、「どこそこの部門も期限通りに提出していない」だの「形式的な報告書を提出する意義が見出せない」だのと言い訳を並べ、行動を是正しない。この人のおかげで、いつも締め切りを過ぎてしまい、「遅くなり申し訳ございません」と、お決まりの謝罪文を付けて提出するのが常になっている。

 

    投下時間と品質はトレードオフ。相手が80点の品質を求めているなら80点から85点くらいを目指す。100点を目指さない。

これは自分にとっての80点と相手にとっての80点に乖離があると成り立たない理論だ。後進を育成するため、技術資料の作成を指示したことがある。恐らく彼は90点くらいの資料を作成したつもりでいただろうと思う。僕は70点でも及第点をあげるつもりだった。しかし提出された資料は「大量の誤字脱字」「図表のタイトル挿入位置間違い」「小数点以下の桁数不一致」「今後の方針を記載していない」などなど、文書作成の基本すら守れておらず、及第点に遠く及ばないものだった。彼には事あるごとに「最初は上手く出来なくて当たり前。失敗経験を糧にして欲しい」と伝えていたし、このままでは将来恥をかくことになると思い、心を鬼にして気になる点を多々コメントし、修正原稿を再提出してもらった。後日、別の新規プロジェクトを任せ、その技術資料を作成するよう指示した。成長を見せて欲しいと願ってのことだが、彼は何度フォローしても完成原稿を持参することはなかった。技術資料作成はエンジニアの必須スキルだが、一朝一夕で身に付くものではない。数をこなし、試行錯誤を重ねることが必要となる。また、上長に判断を仰ぐために提出する報告書は承認を得られれば目的を達するが、技術資料は次世代の技術者に遺すために作成するものであり、優れた技術資料は時間が経っても価値を失わない。事実、僕は3040年前に作成された技術資料からヒントを得た経験が何度もある。彼の技術資料も、数十年後に再評価される可能性はあった。そうした技術資料作成の意義は繰り返し伝えたつもりだったが、彼には届かなった。大変残念に思う。

 

    土日に11時過ぎまで眠ってしまっても「予定通りに遅く起きられた」と前向きに考える。

この考え方は感心した。休日を寝て過ごすと勿体ないことをしたと後悔しがちだが、平日に少しずつ蓄積していた睡眠負債を解消できたと考えれば、決して無駄ではない。冴えない頭のままダラダラ起き続け、平日に疲れを持ち越すよりは、思い切って眠ってしまう方が、ずっと有意義だと思う。

 

    自分がやるべきことを全てスケジュールに書き込み、予定に無いことは基本的にはやらない。

これは多くのビジネスパーソンにとって絵に描いた餅だろう。僕は技術スタッフ職だが、スタッフは作業者が有価作業に集中できる環境を整えることが主な仕事だ。他に仕事を抱えていたとしても、作業者から品質不具合や設備トラブルなどで相談を持ち掛けられたら、その対応が最優先となる。予定にはバッファを組み込んでおかないと、何か起こった時には残業で対応するしかない。バッファを作っておいて、何も起こらなかった場合は、急ぎではないが期限が決まっている仕事や、文献や専門書の読書など自分のスキルアップに役立つ仕事に取り組めば、無駄にはならないと思う。

 

    早く帰るために退社時間を宣言し合う。

当社でも5年ほど前から勤怠一覧表に退社予定時刻を掲示する取り組みを行っているが、効果のほどは半信半疑だ。僕のように余程のことがない限り「定時退社」と表示する人もいれば、ほぼ毎日残業表示する人もいる。プライベートの時間確保よりも残業手当を目当てに居残るならば話は分かるが、裁量労働制の職位にあり、残業しても給与は一切増えないにもかかわらず、月40時間くらい普通に残業している人もいる。仕事というものは突き詰めるとキリがない。どこかで妥協して切り上げないと、いつまでも職場に居座り続けることになる。世の中には「遣り甲斐を感じていれば長時間労働も苦にならない」という意見も目にするが、愚論だと思う。疲労を感じていなくても、全力で長時間働けば身も心も消耗する。僕が学生の頃は「働くことで自己実現を果たす」という考え方が持て囃されたが、労働を過度に信奉しているように思えて、大変気持ちが悪い。労働は生活費を稼ぐ手段と割り切り、プライベート最優先で過ごした方が、健康的な生活を送れると思う。

 

    メールをチェックする箇所と回数は最低限にする。何度もチェックして完璧を目指す必要はない。

全くその通りだと思うが、思うように実践できず、歯痒さを感じている。僕個人の性格にも問題はあると思うが、「メールは極力簡潔にして作成に手間をかけない」という価値観は、残念ながら共通認識ではない。製品で不具合が発生したため、関係者に不具合内容を速報することがよくある。「○○で△△という不具合が☆個中◇個発生しました。近日中に会議を開催し、対策を検討したいと思います。開催日時は別途ご案内いたします。ご協力よろしくお願いいたします」本文はこのくらいにして、あとはチェックシートと試験データを添付すればOKだと思うのだが、納得しない人がいるのだ。「過去の製品実績も掲載しないと比較できない」と言うから、過去の製品のチェックシートと試験データも添付したら、「不親切。一目で分かるように整理しろ」と言い、ポイントを箇条書きで纏めたら、「箇条書きは分かりにくいから表で纏めろ」と言い、本文中に表を追加したら、「受信形式によってはレイアウトが崩れるから、エクセルファイルに表を作成して添付しろ」などと言うのだ。会議資料レベルの詳報を速報に求めないで欲しいし、気になることがあれば電話で問い合わせればよいものを、わざわざメール返信で回答と是正を求める所が嫌らしい。

 

    メールをフォルダに仕分けし過ぎると、かえって不便になる。

これも全くその通りだと思う。メールを丁寧に書くことは全くの無駄とは思わないが、過去に受信したメールを探す時間は無駄でしかない。現在、受信年代別かつ内容別にフォルダを作成し、手動で各フォルダに振り分けているが、手間暇がかかるため整理整頓が追い付かず、検索性は高まっていないと感じる。本書に刺激を受け、メールの仕分けルールを以下の通り変更してみることにした。利便性が高い方法を自分なりに模索していきたい。

     前日までに受信したメールは、フラグ付きメール(依頼メール)を除き、全て「99_仕分け前」フォルダに移動。

     依頼完了したフラグ付きメールは、「10_依頼完了」フォルダに移動。

     依頼未完了のフラグ付きメールは、そのまま「受信」トレイに残す。

     送信メールは全て「00_送信メール」フォルダに移動。 ※これは以前から実施していた。

     読み返す可能性が高そうな重要メールは「20_重要」フォルダに移動。

     読み返す可能性が低い一般メールは「30_その他」フォルダに移動。

     OAや勤怠ルールに関連する重要メールは「XX_お役立ち情報」フォルダに移動。 ※これは以前から実施していた。

     1日の終わりに必ずメールの整理整頓を終える。

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本書は週刊ダイヤモンドの有識者投票で2017年のNo.1経済書に選出されている。多数の具体例を挙げながら、「相関関係がある」を「因果関係がある」と混同し、根拠の無い通説を信じてしまわないように警鐘を鳴らしている。データ解析で強い相関関係が認められても、そのメカニズムを説明できなければ、因果関係があるとは言えないのだ。業務上、データ解析を行う機会に恵まれているため、本書の骨子には共感できる部分が多かった。

 

本書で取り上げられていた論証の中で、特に興味深く思ったものを、個人的見解も踏まえて、御紹介する。

 

    海外では定期健診が長生きにつながるという強いエビデンスが見られなかったにもかかわらず、日本は2008年から特定健康診査・特定保健指導を全国展開した。

 

一企業レベルならば、「やってみなはれ精神」で猛進し、結果的に失敗に終わっても、さほど問題視されないかもしれないが、国策レベルともなると膨大な税金が使われてしまうため、海外の先行事例を参照する、特区を設けて対策の有効性を確認する等、導入には慎重な判断が必要だ。

ビジネスパーソン向けの品質管理セミナーで、「日本で統計学を学ぶのは一部の理系学生だけだが、欧米諸国やアジアの新興国は文系学生も統計学を必修する」「つまり、統計学に限れば、日本の教育レベルは、欧米諸国どころかアジアの新興国にすら劣る」「外国人は暗黙知を良しとせず、真理を探究して、形式知化しようとする気概に満ちている」「日本人は結果が良ければ理由が分からなくても良しとする」というお話を伺い、衝撃を受けたことを思い出した。近年、統計学にまつわる書籍が多数発刊され注目を集めているが、そのような書籍が売れてしまうことが、日本の現状のヤバさを示しているように感じる。

 

    医療費の自己負担割合が大きくなれば、人々は病院を受診したり入院したりする回数を減らすため、国全体で支払う医療費は減少する。しかも、医療費の自己負担割合と人々の健康状態の間には因果関係が見られない。ただし、低所得かつ健康状態が悪い人々に限ると、自己負担割合の増加は健康状態を悪化させることが分かっている。

    高齢者に対する医療費の自己負担割合を引き下げると、病院に行く回数が増えるものの、それによって死亡率や健康状態に影響が出ることはない。

 

国民皆保険制度、特に高額療養費制度は、今後も維持すべきだと思うが、現行の年間所得に基づき自己負担上限額を決める方式は、現役世代の負担が大きくなりがちなので、僕は個人金融資産に基づき自己負担上限額を決める方式に変更した方がいいと思っている。

 

    男性内科医よりも女性内科医が担当した患者の方が、30日以内死亡率が低い。

 

これは女性医師の方が総じて質の良い診療を行っていることを意味しているが、男性医師の名医が少ないとは言っていない。出産や子育てによるキャリアの中断がほぼ無く、昇進や活躍の機会に恵まれている男性医師の方が、名医の数は多いと僕は思う。ただ、女性医師の方が名医の確率が高いということなので、男性医師と女性医師の診療方針の相違点を仔細にフィードバックし、医療の質の底上げに役立てる試みは必要だと思う。

 

    出生時の体重が重いほど、その後の成績・学歴・収入・健康状態は良好になる。

 

そもそも「小さく産んで大きく育てよ」という風説があることを、本書を読むまで知らなかった。本書では、日本の低出生体重児の割合が欧米諸国と比べて高い理由として、上記通説の存在を挙げているが、僕は高年齢出産率の高まりが背景にあると考えている。実際、厚生労働省の人口動態統計によると、35歳以上の出産割合は、高度経済成長期に当たる1975年だと約4%にとどまるが、2018年には約29%にまで増大している。また厚生労働省の別の資料では、母親の年齢階級を横軸に、低出生体重児の割合を縦軸にして折れ線グラフを描くとU字カーブを示し、低年齢出産と高年齢出産は低出生体重児の出産リスクを高めると報告している。

 

    受動喫煙防止規制を厳しくしても、レストランやバーの売上に、統計的に有意な差は無い。

 

飲食業界の方々が、「禁煙又は分煙を徹底すると飲食店の売上が落ちる」と持論を述べ、愛煙家の方々もそれに便乗している話を耳にするが、常識的に考えると、この発想は無理がある。レストランを訪れる主目的は美味い料理を食べるためだ。バーを訪れる主目的は美味い酒を飲むためだ。それは嫌煙家だろうが愛煙家だろうが変わらない。タバコが吸えるか吸えないかは、お店選びで重視されるポイントではない。中には全席禁煙を理由にお店をスクリーニングする愛煙家もいるかもしれないが、それなら逆に全席喫煙可を理由にお店をスクリーニングする嫌煙家もいるだろう。人口比率では非喫煙者の方が多いことを考えると、嫌煙家に配慮したお店作りに徹した方が、むしろ売上は伸びる可能性があると思う。時代の変化を拒み、現状維持に固執し、新たなビジネスチャンスに目を背けるのは、勿体ないことだ。

余談だが、「統計的に有意な差は無い」は「変わらない」に言い換えられない点に注意する必要がある。上記の事例では、帰無仮説を「受動喫煙防止規制を厳しくしても、レストランやバーの売上は変わらない」とし、対立仮説を「受動喫煙防止規制を厳しくすると、レストランやバーの売上は落ちる」としたうえで、検定を実施している。統計的に有意であれば、帰無仮説が棄却され、対立仮説が成立すると言える。しかし統計的に有意ではないと、帰無仮説を棄却できないため、対立仮説が成立するとは言えず、すなわち「受動喫煙防止規制を厳しくしても、レストランやバーの売上は落ちるとは言えない」という結論になる。「落ちるとは言えない」と「変わらない」はイコールではない。「変わらない」ことを統計的に判断するためには、対立仮説を「受動喫煙防止規制を厳しくすると、レストランやバーの売上は変わる(落ちるか、伸びる)」として、検定を行わなければならない。これが統計的に有意ではないと、「売り上げは変わるとは言えない」という結論になる。更に、対立仮説を「受動喫煙防止規制を厳しくすると、レストランやバーの売上は伸びる」に変えて検定し、これも統計的に有意とは言えなかった場合、「売上は落ちるとは言えないし、変わらないとも言えないし、伸びるとも言えない」という結論になる。これら3つの検定結果から分かることは、「受動喫煙防止規制とレストランやバーの売上の間に因果関係があるとは言えない」であり、「因果関係が無い」と断言することはできない。一連の考え方は統計学の基礎となる。統計学をビジネスなどで実用したいと考えている方々は、是非覚えておいて欲しい。

 

    保育所定員率と母親の就業率の間に因果関係を見出すことはできない。

 

この論証は、子供の存在は働きたいお母さんの足枷にはならないし、保育所を整備しても母親の労働意欲を増進させる効果は期待できないことを示唆している。最近はシェアリングエコノミービジネスが普及しつつあり、就労のハードルは下がりつつある。ダイレクトマーケティングによって、無職の母親に対し、スキルや経験を生かせそうな仕事を直接オファーするなど、積極的な就労支援を行うことが必要だと思う。

 

    子供に恐ろしいと感じさせることで、正しい行動を取ることの必要性を学ばせる教育法がある。受講した若者の方が受講しなかった若者よりも、その後の人生で犯罪に関わる確率が高くなる。

 

本書では具体的な言及は無かったが、体罰が上記教育法の典型例だと思われる。理不尽な仕打ちによって乱暴に従わせようとすると、子供たちは懲罰を受けたくない一心で、善悪の判断を蔑ろにしたまま、行動を決めてしまう恐れがある。教育者の中には体罰を正当化する人が未だにいるようだが、自らの指導力不足を棚上げした暴論だと思う。

子供が知らない知識をわざわざ教えることの是非については、僕が子供だった数十年前から親達の間で議論されていたと記憶している。具体的には、性教育、同和教育、薬物乱用防止教育などだ。僕は小学校3年生の保健の授業で初めて性教育を受けた。「低年齢での妊娠は母体に大きな負担となります。大人になるまでセックスは絶対にやめましょう」と釘を刺されたが、セックスに対する好奇心や憧れが勝り、異性を強く意識し、女の子と積極的に遊ぶようになり、仲良くなった女の子に抱き着いたり、キスしようとしたりした。相手の女の子にその気があれば、初体験に発展し、妊娠させていた可能性はあったと思う。薬物乱用教育では、薬物中毒で身体がボロボロになった人達の写真を見せられ、恐怖心を煽られたが、絶頂を得ることが服用の動機であることも教えられたため、興味本位でアプローチしようとした不良少年もいたようだ。薬物を強く印象付ける教育を受けなければ、そこまで興味を持たなかったと思われる。同和教育はとりわけ逆効果だと思う。差別の歴史を教えることで、むしろ差別意識を醸成してしまわないだろうか。差別が存在することを知らなければ、差別するという発想にも至らないのではないだろうか。子供たちに、何を、どのように教えるのかについては、引き続き慎重な議論が必要だと思う。

 

    女性の取締役比率を無理矢理に上昇させると、企業価値が有意に低下する。日本政府は女性管理職比率を2020年までに30%以上とする目標を掲げているが、女性の管理職が自然と増加するような環境をつくることが重要だ。

 

女性管理職比率を無理なく30%以上とするためには、社会構造の大変革が必要だ。厳しい数値目標を押し付けるだけで、具体策の検討は民間任せにしているようでは、達成は程遠い。現状、女性を積極的に登用している企業に対してインセンティブを与える懐柔案が採られているらしく、将来は数値目標を義務化して違反企業に罰則を与える強硬案が採られる可能性もあるようだが、いずれも僕は反対だ。女性が能力を発揮して活躍できる環境を整備することが本来の目的であり、飴や鞭を使い分けて数値目標を達成することが目的ではない。

障碍者の法定雇用率も同様と考える。こちらは既に罰金刑が設けられており、半強制的に障碍者の雇用を促進している。障害保険福祉研究情報システムの報告によると、海外ではイギリスやフランスなどが、日本と同様に雇用率制度を重視しているが、法的な規制を強化するよりも、事業主の自主的な活動を奨励することに重きを置くように変わりつつあるそうだ。僕は事業主の自主性に頼るのは国家の傲慢だと思う。特に雇用率制度を採用している国々は、障碍者雇用を国策として推進すべく、事業主を強力に支援していく責務があると思う。

 

    偏差値が高い大学に行ったグループと、偏差値が低い大学に行ったグループとの間で、卒業後の賃金に統計的に有意な差はない。

 

これは帯のキャッチコピーにも取り上げられていた論証だが、成績や経歴がほぼ同じ学生を比較評価するという前提条件がある。向学心を抱いて受験勉強に励み、偏差値60の大学に進学した学生と、とりあえず大学は出ておこうと、定員割れした偏差値40の大学に進学した学生を、比較しているわけではない。僕の経験上、一流と呼ばれる有名大学を卒業している人達は、総じて優れた理解力や思考力を有していると感じる。

前提条件を知ることは、とても重要だ。前提条件の選び方によっては、結論が変わることも有り得るからだ。当言説では具体的な偏差値には言及していない。偏差値の差異が5程度だとすれば有意差は確認できないかもしれないが、20程度だとすれば有意差が見られるかもしれない。疑わしい言説を見掛けたら、原著を参照することが望ましい。信じるに足らない、あるいは信じたくないと感じたら、無理に信じなくてもいいと思う。ただ、異なる意見があることを受容する懐の深さは必要だ。



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本書は投資の指南書ではなく、自己啓発書に分類される。著者は大阪生まれの日本人で、中学までは日本のインターナショナルスクールに通い、単身渡米して高校・大学・大学院を修了、現地で就職・結婚して順風満帆な生活が始まった矢先に父が急病で倒れ、介護のため職を辞して帰国。介護を続けながらお金を稼ぐ方法を模索した末に、ポートフォリオワーカーという生き方に辿り着いた、異色の経歴を持つ。

本書では、彼女の人生経験をベースに、ポートフォリオワーカーを目指す意義や、ポートフォリオワーカーになるために必要な心構えについて説いている。論旨は以下の通りだ。

 

    自分が好きなこと、やりたいことは何かを見極める。

    好きなこと、やりたいことを複業(副業)とする。

    とにかくやってみて、続けることが大事。

 

ここからは、本書の主張を一部引用しつつ、僕個人の経験を踏まえて見識を述べる。

 

収入源がなくなるリスクはいくらでもある。複数の収入源を確保してリスクを分散する生き方が必要。お金を儲けるには、次の4つの方法がある。

① お金のために自分で働く(労働)

② 人に働かせる(雇用)

③ 仕組みに働かせる(フランチャイズなど)

④ お金に働かせる(投資)

 

日本では①を本業として生活費を稼ぎ、余剰資金で④を行うケースが大半だと思う。②は本業以上に激務となり精神的負担が増す恐れがあり、③はお金を稼げるようになるまで時間を要する。本書でも、家計の遣り繰りで貯金をつくり、投資資金に回すことを、現実的な働き方として提案していた。

 

今の日本人は投資ではなく貯金が好き。日本人のお金に関する知識がなぜグローバルスタンダードより低いのか。本当に不思議でなりません。これも一種の愚民政策ではないか、と言ったら私の考えすぎでしょうか。

 

同感だ。日本では金融に関する教育が軽視されてきた。僕の親世代は「投資は悪」という価値観があるようで、投資領域を広げている僕に対し、たびたび貯金を推奨する。だが貯金でお金が貯まる時代はとうの昔に過ぎてしまった。もうすぐゆうちょ銀行の定期貯金が満期を迎えるが、50万円を10年預けても税引き前で5,500円ほどしか増えない。今の年利(0.002%)で50万円を10年預けると、税引き前利息は、たったの100円だ。これでは家計の足しにはならない。一方、株式投資だと、50万円は1日で数千円ほど値動きする。老後貧乏を回避するためには、投資は必須の時代になったと思う。

日本経済新聞によると、22年度から高校家庭科で、株式や債券、投資信託など基本的な金融商品の特徴を教えることになるそうだ。また、日本銀行の発表によると、日本人が所有する金融資産の半分は現預金で、その総額は1000兆円に達するとのことだ。貧しい日本人が増えた理由のひとつに、投資を毛嫌いし避けてきた過去の積み重ねがあると思う。お金は使わなければ価値を生まない。日本人の投資マインドが変わることを期待している。

 

貯蓄型生命保険で金利を保証してくれたとします。保険会社は、みなさんの掛け金を運用して、利ザヤを得ています。知人の日本人女性は、「銀行に預けるより、利回りがいいから」ということで、非常に喜んでいますが、その裏を知っている私は、特にコメントしませんでした。

 

著者は、自分で運用していれば、更に大きなリターンを生み出せていた可能性があると示唆しているが、むしろ僕はこれらをポートフォリオに組み入れるべきだと思う。会社にお金を預けて、自分の代わりに運用してもらう方法は、著者の分類だと「②人に働かせる(雇用)」であり、貯蓄型生命保険の他には、投資信託やワンルーム投資などが該当する。自分はほとんど何もしなくてよいというのがポイントだ。余った時間を別のことに振り向けることができる。利ザヤは手数料と割り切ればよい。

 

自分を深く知るための「30の質問」に答え、自分がどんな仕事、働き方を好み、何にやりがいを感じ、何にストレスを覚えるのか、自己分析しましょう。

 

自問自答を繰り返して自己分析する方法は定番だが、質問を自分で準備するのは結構大変だと思う。ポートフォリオワーカーにも色々なタイプがある。自分が目指したいポートフォリオワーカー像を明確にすることは重要だと思う。

余談だが『あるロリコンの小部屋』(本館)では、『ロリコンさんに50の質問』及び『ロリコンさんに50の質問【改訂版】』という質問フォーマットを公開している。一人ひとり、考え方は千差万別だということが分かる。ご興味ある方は、以下を是非ご覧頂きたい。 

 

  Tiss (回答)

    クレナカ さん (回答)

    とんべい さん (回答)

    おまえ さん (回答)

    布丁 さん (回答)

    ひひらいだー さん (回答)

    檸檬 さん (回答)

    お針子兎 さん (回答)

    内閣 さん (回答)

    Lukaspassion さん (回答)

 

私はこう考えます。「時は命なり(タイム・イズ・ライフ)」

 

僕は惰眠や深酒といった自堕落な生活を最高の贅沢だと考えているので、健康第一を標榜する著者とは、基本的に相容れない。余暇は、お金になろうがなるまいが関係なく、好きなこと(趣味)に費やしたい。好きだからこそ、お金儲けを目的にしたくないという気持ちもある。いくら面白い仕事でも、続ければ身体は疲れるし、仕事として向き合うとなると遊び気分ではいられず、プレッシャーもかかる。だが、本当にポートフォリオワーカーになりたいならば、複業(副業)につながらない趣味は、時間の無駄だから、すぐに止めるべきかもしれない。僕の場合、このブログ運営なんかは、最たる例だろう(笑)。

 

ポートフォリオワーカーにとって、自分のキャパシティを知るというのは必須のこと。次々と仕事を安請け合いすると不幸になってしまうからです。

 

仕事を断る勇気は必要だと思うが、そもそも断らなければならないほど、多数の仕事を掛け持ちしている状態が問題ではないかと思う。案件を選り好みして断り続ければ、せっかく築いた人脈や信用を損なうリスクもある。

 

ニッチで、比較的長く続けられそうな事業を選ぶといいですよ。急成長はしませんが、競合がいないから、安定して続けられます。

 

僕は漫画とアニメが好きで、とりわけ漫画には多額のお金を投入してきた。これまでに読んだ漫画の量は、上位1%に入る自信がある。しかし漫画をネタにして稼ぐのは非常にハードルが高い。今の所、電子書籍販売ショップでレビューを書いて小銭を稼ぐぐらいしかできていないし、これからもそれぐらいしかできないと思う。例えば、ブログやYoutubeなどで漫画のレビューを発表したとしても、広告収入を得るほどの人気を獲得することは極めて難しいだろう。既に有力な競合が大量にいるからだ。

手前味噌になるが、ロリコン向けのコミュニティサイト『あるロリコンの小部屋』は、ニッチという視点では悪くなかったと思う。定期的に開催したチャット会は、連日深夜まで盛り上がった。少人数だが常連さんもでき、就活で上京した際には、オフ会も開催できた。またサイト運営が目に留まり、インタビュー取材を受けたこともある。約5年間の本格運営期間中に10万アクセスにも届かなかった弱小サイトだが、同様の更新頻度を維持できていれば、成長していた未来もあったかと思う。

 

楽しいっていうのは、自己決定感とイコールではないかと思います。自分で決められるっていう感覚は、やっぱり楽しいと思います。

 

この感覚は共感できる。最近、株式投資を始めたが、投資信託に比べて自己裁量が遥かに大きく、自分の行動で損得が決まる生々しさに醍醐味を感じる。この考えは本業にも通ずると思う。人から言われた通りにやるだけ、あるいは自分がやりたいようにやらせてもらえない環境では、面白い仕事も面白くなくなる。ポートフォリオワーカーを志向している人の多くは、本業の収入や遣り甲斐に対して、不満があるものと思慮する。しかし著者を含むポートフォリオワーカーで成功している人は、複業(副業)を楽しんでいるけれど、本業も存分に楽しんでいるように見える。複業(副業)を始めるよりも先に、まずは本業を楽しめるように変えていくことが重要ではないだろうか。

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経済雑誌を読むことが好きだ。これまで「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」「日経ビジネス」「日経ビジネスアソシエ」「日経ものづくり」など、多数の経済雑誌に目を通してきたが、5年ほど前から「プレジデント」の定期購読を続けている。

 

日本経済新聞は、テレビCMで「月4,277円の価値はある」と謳っているが、年間だと51,324円にもなる。あのCMを見るたび「いや、結構高いやろ・・・」とツッコミを入れてしまうのは、僕だけだろうか。大学生の時に新聞を定期購読していたこともあるが、紙面に目を通し切れないまま捨ててしまうことが相次ぎ、数年で解約してしまった。一方、経済雑誌は定期購読すればかなり割安となる。プレジデントの場合は、勤めている会社が法人契約を結んでいるため、年間9,000円で購読することができる。日経新聞の5分の1以下だ。コストパフォーマンスは相当良いと思う。

 

プレジデントは毎号変わる特集記事も読み応えがあって面白いが、一番気に入っているのは、連載陣のバリエーションが豊富で、右と左の一方に肩入れしていない点だ。菅義偉、池上彰、茂木健一郎、齋藤孝、佐藤優、鈴木宗男、橋本徹、飯島勲、大前研一などなど、一度は耳にしたことがあるだろう著名人が、ほぼ毎号欠かすことなく連載している。特に飯島勲は与党寄りだが、大前研一は与党に批判的な見解を述べることが多く、読み比べてみると大変興味深い。掲載順も近く、プレジデント社も読み比べを推奨していると思われる。

 

419日の当ブログ記事で、「日本政府が打ち出した、休業しても補償しない方針を支持する。経営体力が乏しい企業が廃業するのは仕方がないこと。生き残った強者に資本が集中されることで、世界でも戦える優れた企業が育つのでは」と私見を述べたが、58日発売のプレジデント最新号で、統計データ(ファクト)に基づき、「小規模企業は消えるべきだ」と、論理的に喝破する記事が掲載された。執筆者はデービッド・アトキンソン。日本の観光振興や文化財保護活動に取り組む知日派の金融アナリストだ。独創的で説得力に満ちた提言だった。一部をかいつまんで紹介したい。

 

    日本の生産性は世界第28位、先進国では最低クラスだが、足を引っ張っているのは中小企業だ。

    労働者数と生産性は非常に強い相関を示す。中小企業の生産性は、大企業の半分ほどしかない。

    日本では小規模事業者が全体の84.9%も占める。1社あたりの従業員数は僅か3.4人である。

    小規模事業者は、人的リソースに余裕が無いため、有給休暇の取得が難しい。同様に産休・育休を取りづらいため、女性を積極的に登用できない。

    売上が小さい小規模事業者は、研究開発や設備投資に回せる資金が少なく、イノベーションを生み出せない。

    小規模事業者の多くは、統計上、実効税率ゼロ。慢性的な赤字企業は、ただの寄生虫。

    小規模事業者に補助金を出して延命させる必要はない。消えてもらった方がいい。

 

批判を恐れずに自己主張する姿勢は、僕も是非見習いたいものだ。

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業界の主要プレイヤーの勢力関係を図式的に把握できる良書。各業界の市場成長度を天気に例えて表現していて、事業規模が異なる業界間の比較も行える。株式投資を始めるにあたり、業界研究と投資先選定の参考にさせてもらった。当記事では、20年度予想が「快晴」又は「晴れ」と示されていた業界を対象に、個人的見解を踏まえて展望を述べたい。

 

(1) 宇宙開発・・・快晴

「宇宙を制する者は世界を制する」と言われているが、残念ながら日本の市場規模は小さく、日本企業の存在感は薄い。「世界では1000社を超えるベンチャー企業が誕生している」とのことだが、勝ち組企業を探し当てることは非常に難しい。投資先としては避けたい業界だ。

 

(2) 5G・・・晴れ

今年の春から日本でも商用展開が始まった。ハード・ソフト両面で、今後10年間は安定した市場拡大が見込まれる。長期保有前提で、NTTドコモやKDDIなど、高配当の5G銘柄を買うのは、選択肢に入れていいだろう。

 

(3) AI・・・快晴

AI市場は米中が牽引しており、日本企業が大勝ちする可能性は低いが、日本にもユニークな技術を有するベンチャー企業がいくつか存在する。将来性に賭けて投資しても面白いと思う。

 

(4) QRコード・・・晴れ

日本ではプレイヤーが乱立、再編の動きも出ている。「paypay」が頭一つ抜け出した感はあるが、今のところ勝敗が決したという感じはしない。実際にスマホ決済を使ってみると、ポストペイ型の電子マネーの方が、スマホやアプリを起動する手間が無い分、使い勝手が良い。還元率アップキャンペーンも落ち着きつつあり、政府の後押しがなければ、次第に下火になっていくと思われる。

 

(5) リチウムイオン電池・・・快晴

2018年時点ではパナソニックが世界トップシェアを守っているが、部門利益率は1%程度と低く、新規大型投資も凍結されているため、じきに中国企業に追い抜かれるだろう。パナソニックが、太陽光発電と液晶パネルに全力投資した、かつてのシャープと同じような末路を歩まないことを願う。

 

(6) スマートフォン・・・晴れ

5G対応スマホの登場により、飽和しつつあった市場の再成長が期待されている。5G対応スマホは数年後に型落ちが出回り始めてから一気に普及が進むと見る。その頃には都市部を中心に5G通信用のインフラ整備も進んでいると思われる。日本において5G普及の鍵になるのは、大容量通信を見据えた通信費の削減だろう。まあ、動画や電子書籍はPCモニタで楽しみ、音楽を聴く習慣が無い僕には、どうでもいい話だが。

 

(7) シェアリング・・・晴れ

フリマアプリ市場が急成長を遂げているようだが、僕には馴染みがなく、現実味に欠ける。海外市場では伸び悩んでいるようだし、低俗な転売屋が荒稼ぎしているという話もよく耳にするし、イメージは良くない。今は各社がニーズの掘り起こしに力を入れているため、市場は伸びていくと思われるが、生産者に売上が還元されないシェアリング業界を、あまり応援する気にはなれない。

 

(8) 調理ロボット・・・晴れ

外食産業の人手不足解決に貢献したいという想いは共感できるが、多種多様な作業工程を的確に再現できるロボットが登場するのは、ずっと先になるだろうし、店舗存続の危機にある個人経営店が手を出せる価格で販売されるとは思えない。収益化に苦労しそうな気がする。

 

(9) サイバーセキュリティ・・・快晴

在宅勤務、オンライン医療、暗号資産など、サイバー空間を利用したビジネスは拡大を続けており、それに付随してサイバーセキュリティ需要も堅調に伸びていくと思われる。市場減速の予兆は見当たらず、投資先の最有力候補だと思う。

 

(10) ソーシャルロボット・・・快晴

2018年の世界市場は541億円とのこと。家庭向けは、トレンドに敏感な人達が興味本位で購入しているだけだと思う。搭載機能はスマホなど別のもので代用できるものばかりだし、娯楽品・嗜好品にしては高価で簡単には手が出せない。一般家庭に普及することはないと思われる。本命は、高齢者向け施設、保育園、娯楽施設などの法人向けだと思う。成長の余地はあると思うが、現時点では勝ち組になりそうな企業は見出せない。

 

(11) 東京五輪/大阪万博・・・晴れ

前回の東京五輪/大阪万博ほどのレガシーが生まれるとは思えない。五輪特需は既に出尽くした。近年は五輪開催後に経済成長が鈍化した国が多いとのことだが、恐らく今回の日本も同じ道を辿ると思う。しかし大阪万博に向けた特需が本格化するのはこれからで、特に建設と交通は規模が大きく、業績向上が期待できる。IR構想が上手く当たれば、万博後に宿泊や観光も恩恵を得られる可能性があると見る。

 

(12) 先端技術用材料・・・晴れ

日本が世界で先行している数少ない分野だ。本書によると、5G関連の需要が本格化するのは23年以降と予測され、今は将来の増産を見据えて、各社とも設備投資を進めているとのこと。海外に目立った競合がいないことから、特に有望材料の製造技術を複数持つ企業は、躍進が期待できると思う。

 

(13) スマート農業・・・晴れ

国内の植物工場の約半数が赤字とのこと。ブランド品として認知された一部の施設を除き、採算が取れていないと思われる。売上を高めるために大型農園を造れば、高品質の作物を安定して大量に供給できるようになるため、単価が下落して収益が悪化するジレンマに陥る。収益確保には、海外市場への拡販が必要と思われるが、スマート農業のシステムを輸出すると、収穫物が同質化してブランド価値が毀損され、日本産農作物の輸出に悪影響を及ぼす恐れがある。話題先行で投資が過熱しているように見え、今後の先行きは不透明だ。

 

(14) トラック・・・晴れ

自動運転技術を搭載した貨物輸送用トラックの開発が進行している。市場規模は大きく、覇権を握れば一気に売上は伸びていくだろう。しばらくは成り行きを静観し、勝敗がほぼ決してから投資をしても遅くはないと思う。

 

(15) 産業ロボット・・・晴れ

日本には有力なプレイヤーが揃っている。ハードの製造業にしては利益率も優れている。売上は世界経済と連動し、浮き沈みは激しいが、中長期的に成長は続くと予想される。長期保有前提で高配当の株式を購入するのはアリだと思う。

 

(16) サービスロボット・・・晴れ

何年か前に、勤めている会社でアシストスーツをテスト運用したが、使い勝手の悪さから導入を見送った経験がある。家庭用のロボット掃除機を愛用しているが、他の家電と比べて故障頻度が高く、そのくせ長期保証制度が無く、メーカーも壊れやすいことを認識して販売していると思われる。製品の機能及び品質の向上が普及の鍵を握るだろう。

 

(17) プラントエンジニアリング・・・晴れ

収益が安定しておらず、投資先に選ぶのはリスクが高いと思う。

 

(18) ウェアラブル端末・・・晴れ

正直な所、個人向けのウェアラブル端末には、魅力を感じない。スマホに取って代われるぐらいの、生活必需品になることを目指さないと、嗜好品の立ち位置からは脱却できないだろう。法人に訴求するためには、レンタルやリースを強化し、導入コストを下げるなどの工夫が必要だと思う。

 

(19) 医療機器・・・晴れ

一層の需要拡大が見込まれる治療用医療機器で、日本勢は欧米企業の後塵を拝している。合従連衝や新規参入の動きは活発で、どの企業グループが主役になるか読めない。海外情勢にも精通しておく必要があるため、情報源が限られるアマチュアの投資家は、投資先から外した方が無難だと思う。

 

(20) 電子部品・・・晴れ

先端技術用材料と同様に日本が世界をリードしており、今後も優位性は揺るぎそうにない。スマホ向けの需要は飽和しつつあるが、電気自動車や工場自動化の広がりが、追い風になると予想されており、今後も安定した成長が見込まれるだろう。

 

(21) 半導体・・・晴れ

市場は5G向けや電動自動車向けの需要拡大により成長局面に入ると考えられているが、日本企業は低シェアに甘んじており、浮上の糸口も見出せない。国内株式を買うのは止めた方がよいと思う。

 

(22) 半導体製造装置・・・晴れ

半導体市場が成長する見通しなので、半導体製造装置業界も当然成長していくと考えられる。当業界には有力な日本企業が数多く存在する。ただし米中貿易摩擦の影響が大きく、先行きは不透明だ。米国大統領選挙後の米国の対応を見てから、投資判断をした方がよいと思う。

 

(23) 半導体材料・・・晴れ

半導体及び半導体製造装置市場が成長すれば、半導体材料市場も成長する。特にシリコンウエハーで高いシェアを持つ信越化学工業とSUMCOは、利益率が非常に高く、安定感がある。

 

(24) eコマース・・・晴れ

小売に占めるEC比率は6%程度に過ぎず、まだまだ伸び代がある。市場には多数のプレイヤーが犇めいているが、日本企業では楽天とZホールディングス(旧ヤフー)が圧倒的地位を築いている。どちらも本業が好調な状況に胡坐をかかず、経営多角化を進めている点も好感できる。

 

(25) クラウド・・・快晴

市場は急成長が続いているようだが、米国企業の独壇場で、日本企業に逆転の芽は無さそうだ。

 

(26) アプリ・ネットサービス・・・晴れ

SNSはどれも利用しておらず、使う動機も無い。株式投資先選びは、市場の成長性や経営指標や経営指針などを総合的に評価することが基本だとは思うが、僕は自分が応援したい業界かどうかを重視したい。よって当業界の主力企業に投資するつもりはない。

 

(27) RPA・・・快晴

人材不足に悩む業界やコスト削減が課題の業界は山ほどある。まだ市場規模は小さいが、将来性は計り知れない。RPAのようなITツールを活用するには、高度な専門知識が要求されるため、キメ細かいアフターサービスが期待できる国内企業は、引く手数多と思われる。

 

(28) VRARMR・・・晴れ

娯楽施設向けの需要は一服したように感じるが、本書によると、婚礼や旅行や不動産業界での導入が加速する見通しとのこと。更に市場が成長していくためには、工場などの作業性改善ツールとしての利用や、個人向けの拡販が必要になると思う。ユーザビリティを高めた商品を開発した企業が勝者になるだろう。

 

(29) 炭素繊維・・・晴れ

日本勢がシェアの過半を占めており、特に東レは独占的な地位を確立している。目下、販売価格が低迷し採算が取れていないようだが、生産能力増強による製造コスト削減と機能向上により、用途が拡大すれば、成長産業に大化けする可能性を秘めている。

 

(30) 塗料・・・晴れ

国内は日本ペイントと関西ペイントの2強体制。グローバルで勝ち抜くには、2社が共同戦線を張れればよいのだが、独占禁止法に抵触してしまうため、現実的ではない。覇者はM&Aの進展で決まる。言い換えると、情報戦に弱い個人投資家は大勢が決するまで傍観していた方がいいと思う。

 

(31) フィンテック・・・快晴

投資は旺盛とのことだが、個人向けで普及が進んでいる実感は無い。汎用性・利便性が高いサービスのリリースが市場成長の行方を左右するだろう。

 

(32) 消費者向け金融・・・晴れ

コロナ不況により引き合いは増えると予想されるが、貸し倒れのリスクも高まるため、先行きは混沌としている。投資は控えた方が無難だと思う。

 

(33) コンサルティング・・・晴れ

まさに群雄割拠。勝ち馬を見つけ出すのは容易ではない。投資は避けるべきだ。

 

(34) 人材サービス・・・晴れ

現在はコロナ不況による需要激減で業績は悪化していると考えられるが、コロナウイルスが終息すれば市場は再び活気づくだろう。長期的に見れば、慢性的に人手不足が続く、医療・介護業界にパイプを持つ企業が伸びるだろうが、短期的には外食産業など、コロナ不況の煽りをモロに受けている業界に強みを持つ企業が、V字回復を果たすと予想する。

 

(35) バイオ・創薬ベンチャー・・・晴れ

創薬ベンチャーの新薬承認確率は極めて低い。ロマンはあるが、手堅く資産運用したいならば、手を出すべきではないだろう。

 

(36) 再生医療・・・晴れ

日本の優秀な理系人材は、ほとんどが医師を志すため、ポテンシャルは高いはずだが、規制の壁に阻まれて、治験が思うように進んでいなかった。最近になって、ようやく日本でも実用化の目途が立ちつつあるようだが、ベンチャー企業の大半は大赤字を計上している。創薬ベンチャー同様、ロマン枠と考えるべきだろう。

 

(37) コーヒー豆・・・晴れ

日本のコーヒー消費量は高水準を維持しているらしいが、関連業種の利益率の低さが引っ掛かる。コーヒー豆の単価は、気候変動というコントロール不能な因子に強く影響を受けるため、安定しているとは言い難い。別の飲み物が流行し、消費量が減少に転じる可能性も否定できない。新潮流として話題になったサードウェーブ・コーヒーは、一過性のブームで終わった感がある。以上の理由から、今後の安定成長には疑問符が付く。

 

(38) レジャー・テーマパーク・・・快晴

コロナウイルスの影響で臨時休業が相次いでおり、売上は激減しているはずだ。沈静化しても、人々は生活の立て直しを優先すると思われ、レジャー客が従来水準に戻るまで、しばらく時間がかかると推察される。株価回復を辛抱強く待つことができ、なおかつ株主優待を無駄にすることなく活用する目算があるならば、バーゲンセール中に株式を取得するのは合理的と言えるだろう。

 

(39) 旅行・・・晴れ

訪日外国人旅行者は堅調に増えているが、別誌で、大手旅行会社はインバウンド需要を取り込めていない(現地の旅行会社やベンチャー企業に顧客を奪われている)と耳にした。また当業界はコロナ不況によるダメージが最も深刻で、復調までの道のりも長いと思われる。政府は、旅行需要を喚起するための支援策を打ち出すと宣言しているが、効果は限定的と思われる。

 

(40) ホテル・・・晴れ

外国人観光客数が増え続けていることを背景に、新規開業や改装オープン攻勢を仕掛けている状況は、バブルのような危うさがある。需給バランスが崩れ、ホテルが負動産化すれば、業績が一気に落ち込むことも考えられる。

 

(41) ゲーム・・・晴れ

2019年にITジャイアントのグーグルが参入し、アマゾンも参入を目指しているとの噂が立っている。既存顧客の奪い合いが苛烈になり、ソニーや任天堂といった老舗大手企業も安泰とは言えない。ハードやソフトでスマッシュヒットを生み出せても、その恩恵は10年も持たない。浮き沈みが激しいため、投資初心者には向かない業界だと思う。

 

(42) 映画・アニメ・・・晴れ

最後に映画を観に行ったのは大学生の頃だろうか。人気TVアニメの続編が劇場版で制作されることは非常に多く、興味が無いわけではないが、一般受けする話題作は公開から1年もすれば地上波でテレビ放送されがちだし、オタク向けの話題作は動画配信を待てばよいし、どうしても観たい作品はブルーレイを買った方がいつでも繰り返し視聴できるので、わざわざ映画館に足を運ぶ必要を感じないのだ。映画の興行収入は、ここ15年程2000億円前後で安定しており、ここから急成長するとは思えない。映画ファン以外が株式を買う価値は無いと思う。

 

(43) 動画配信サービス・・・晴れ

僕はアマゾンプライムビデオを1年間試した後、dアニメストアに鞍替えした。サブスクリプションは、月額料金の安さと配信タイトルの専門性が決め手となる。dアニメストアのアニメ配信作品数は圧倒的No.1で、月額料金は業界最安級の税込440円だ。大学生時代は毎年100本以上のVHSDVDをレンタルし、年間1万円以上注ぎ込んでいたことを考えれば、その半額以下の負担で、好きなだけアニメを観られる時代になったことを、大変嬉しく思う。

 

(44) スポーツ・フィットネス・・・晴れ

僕が勤めている会社では、フィットネスクラブの月額料金を補助する福利厚生制度がある。昨今、健康経営の一環として、同様の制度を拡充する企業は増加していくと思われ、法人向けに拡販している業界大手を中心に、安定した成長が見込まれる。株式を買うならルネサンスがいいと思う。元々単価は安かったが、コロナウイルス蔓延後に株価が大きく値下がりし、更に手を出しやすくなっている。スポーツ用品はゴールドウインに注目したい。近所の中高生が担いでいるスポーツバッグは、ほとんどがノースフェイス。若い世代を中心にブランドが浸透しており、将来性がある。

 

(45) 広告・ネット広告・・・晴れ

広告会社は一部の大手を除き名前が表舞台に出てこないため、何に強みがあり、何に力を入れようとしているのかが、見えてこない。よく分からない業界には投資をするつもりはない。

 

(46) グローバルメディア・・・晴れ

世界に影響力を持つグローバルメディアは、残念ながら日本には存在しない。

 

(47) 空運・・・晴れ

僕が飛行機に乗るのは年間1往復あるかないか。あまり馴染みがない業界だ。観光需要の伸びに伴い、市場は活況が続くと見るが、国内大手のJALが経営破綻したことからも分かるように、競争は熾烈。特別な思い入れがない限り、特定の企業に肩入れするのは避けた方がよさそうだ。

 

(48) 鉄道(JR)・・・快晴

鉄道(JR)は、もはやインフラといっても過言ではない。例えばJR西日本やJR九州の場合、100株につき1枚貰える株主優待券を使えば、営業路線内の運賃と料金が半額になる。新幹線の利用頻度が高く、株主優待を無駄なく使える目途があるならば、買ってみてもいいのではないだろうか。

 

(49) 鉄道(私鉄)・・・晴れ

インバウンド需要に支えられ乗客数は上向き。JRと同様に、安定成長株と言える。ただ、株主優待は回数券を配布している所が多く、優待利回りはあまりよくない。個人的にはJRを推奨する。

 

(50) 倉庫・物流施設・・・快晴

eコマース市場の成長に合わせて、倉庫・物流施設の需要は高まる一方だ。個人向けのトランクルームがTV番組で特集を組まれるなど流行の兆しを見せている点も好感材料と言える。ただ成長産業ということで、利益を投資に回している企業が多く、業績好調な割に配当利回りは芳しくないようだ。最大手の三井倉庫HDの前期配当性向は僅か6%にとどまる。増配の余力は大いにあるという見方もできるため、コロナ不況で株価が暴落している今のうちに買っておくという判断も有りだと思う。

 

(51) 総合商社・・・晴れ

コロナショックを受けて資源、特に原油価格が急落しており、業績の下方修正は免れない。だが大手商社は市況に翻弄されないよう、非資源事業に軸足を移しつつあるため、減益しても黒字は確保するのではないかと思う。また、軒並み高配当なので、ポートフォリオに組み入れておくと安心感がある。資金力に乏しい個人投資家は、単価が安い双日あたりが狙い目だと思う。

 

(52) 通販・テレビ通販・・・晴れ

ネット通販の好況に牽引され市場は広がっているらしいが、一部の大手企業に人気が集中しており、中小企業は苦戦を強いられているようだ。投資するならEC事業者の方がいいと思う。

 

(53) 中食・・・晴れ

10年ほど前までは、弁当をよく買っていたが、糖質カットがダイエットに有効であると知ってから、購入を控えるようになった。今後は健康志向や高級志向を謳った総菜専門店が伸びていくと思う。贔屓にしていた駅前の総菜屋は閉店してしまったが、自分が良いと思うものは、世間がどう評価しようと、応援したいと思う。

 

(54) 警備・・・快晴

特別な技術や技能を必要としないため、シルバー世代や若年フリーターの雇用の受け口になっているイメージがある。介護や外食産業に比べれば、現場の人手不足は深刻ではなさそうだが、コト消費熱の高まりを受けて、イベントの警備ニーズ拡大が予想される。省人化対策を実行し、人件費を抑えられるかどうかが、収益確保のポイントになるだろう。

 

(55) 育児・保育・ベビー用品・子供服・・・晴れ

幼児や小学生を対象とした、英会話やプログラミング教育教材を扱う事業者は、先行きが明るい。首都圏中心に多様な習い事を展開している事業者も、今後に期待が持てる。だが、僕のような独身者は、ママ友の口コミのような貴重な情報源に触れる機会が無いため、投資は躊躇してしまう。

 

(56) イベント・・・快晴

政府の営業自粛要請によって、最も致命的な打撃を受けている業界のひとつと目される。東京五輪は1年程度の延期が決まった。もし中止となれば、関連イベント事業者は更に大きな痛手を被る。中小企業は会社存続が危ぶまれる。しかしイベント熱が衰える気配は見えないため、危機を乗り越えることができたら、一気に成長する可能性を秘めている。

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本書は「人生100年時代」の論拠になっている、世界的に著名な書籍を和訳したものである。以下では、特に印象的だった記述を抜粋し、所感を述べたい。

 

     2007年に日本で生まれた子どもの50%107歳まで生きる。

     平均寿命は1年で平均3ヶ月のペースで上昇している。

日本人男性の平均寿命は女性よりも約6歳短く、独身者は既婚者よりも約8歳寿命が短いらしいので、僕は90歳近くまで生きると思われる。正直なところ、現実感はまるで無いが・・・。

 

     年金制度の設計など、経済分野で平均寿命の推計を行う場合、平均余命が今と変わらないと仮定する場合が多い。

だから公的年金は給付水準の下落に歯止めがかからず、企業年金は現役世代の負担が増す一方なのか・・・。年金だけで生活水準を維持することが困難になるのは間違いない。今のうちから投資などでお金を増やす努力をしないといけない。

 

     雇われて働くのではなく、次々と多くの顧客から依頼を受けて生計を立てる人が増えていくだろう。

日本では「本業が疎かになる」といった尤もらしい理由で、副業を原則禁止にしている会社がまだまだ多いと思われるが、GDPや国際競争力を高める手段として、副業の解禁は有効だと思う。異業種の交流が進むことでイノベーションが生まれやすくなる効果も期待できるだろう。

 

     コンピュータの処理能力が高まるほど、高スキルの労働者も職を奪われ始める。1020年の間に、アメリカの雇用の47%が消失する恐れがある。

     他方、ロボットが労働力人口の縮小を補い、経済生産と生産性と生活水準を保ってくれるという見方もできる。

僕は後者の考えを支持する。日本を含む先進諸国は人不足が問題視されており、企業規模を維持又は拡大するために、AIやロボットの導入は進んでいくと予想される。しかし人の仕事を代替できるほど優れたAIやロボットが普及するには、大企業であっても相当な時間を要するだろう。将来について考える余力が無い人も多いだろうが、「これからの時代、人に求められる知識や教養は何か」を考え、それらの習得に動き出すことが、職を失わないために必要と考えられる。

 

     精神の健康と幸福感を維持し、活力資産の形成に役立つのは、前向きな親しい友人たちのネットワークだ。

     見方が変わるきっかけになるのは、それまでよりも広く多様性に富んだ人的ネットワークに触れることだ。

     人生の最大のイベントは出産と子育てだったが、長寿命化により、人生の中で子育てに費やされない期間が長くなると、友達付き合いが生活の中心になる時期が新たに出現するかもしれない。

僕には旧知の友がいない。学生時代に雑談を交わす程度の友達はいたが、プライベートで親交を深め合った友達はおらず、卒業後は疎遠になり、今ではお互いに住所も連絡先も分からない。親しい友達がいなくても特に不都合を感じることなく暮らせてしまっている。しかし親兄弟に先立たれ、仕事も引退してしまうと、話し相手が誰もいない毎日が続くことになり、一気にボケが進行しそうで恐ろしい。いざ友達が欲しいと思っても、長らく友達付き合いをしてこなかったため、改めて友達をつくれる自信は全く無い。友達付き合いのスキルを磨いてこなかったことを後悔する時が来そうな予感はある。

 

     余暇の時間に、自費で研修を受講して新しいスキルを習得し、転職を果たす。

     無形の資産を増やすことに特化しようとすれば、金銭的資産の構築に集中する時期の労働はますます過酷になる。

     旧来のキャリアの道筋から外れて自分のビジネスを始めるには、高い能力を築き、上手にそれを見せ、宣伝することが不可欠となる。

     高スキルの職に就き続けたいならば、スキルとテクノロジーへの投資を継続する必要がある。

     高スキルの職は、常に長時間の過酷な労働が要求される。

僕は安定志向が非常に強く、できるだけ今の職場で長く働きたいと思っているが、その考え方が間違っているとは思わない。本書ではキャリアアップを目的とした転職を想定しているが、実際のところ、転職によって収入が増えることは稀と聞く。収入よりも遣り甲斐を求めるということは、厳しい言い方をすると、家庭よりも自己満足を重視することにならないだろうか。同じ職種で非正規雇用者が正規雇用を目指すというなら話は分かるが、異分野へのチャレンジは、独身や子供がいない共働き夫婦、介護を必要とする家族がいない等、生活にゆとりがなければ、なかなか難しいと思う。

本書では、生活と自己投資の資金を稼ぐためにがむしゃらに働く期間と、有用なスキルを習得するためにみっちり研修を受ける期間を、交互に繰り返すライフスタイルを提唱しているが、1020代ならばともかく、育児との両立が必要となる3040代や、体力の衰えと向き合いつつ介護にも取り組まなければならない50代以降に、そのようなライフスタイルを実践できるのか、甚だ疑問に感じる。心身に変調を来すリスクを承知の上で過酷な労働に耐えるよりは、多少収入が落ちたとしても低ストレスで健康的な生活を、僕は望む。

 

     ベテランになってから、昔よりも低い役職に下る。若い人たちをコーチングしたり、ロールモデルになったりすることで、会社に貢献する。

ベテラン社員がシニアエキスパートとして若手社員の指導に当たることは特段珍しいことではないと思う。一度は引退した社員が経験を買われて職場復帰するケースも実際よく目にする。転職の繰り返しを当然かつ正当と捉えている、欧米人(著者)にとっては、目新しいことなのだろうか?

 

     45歳のときに、フルタイムの仕事を辞め、やりがいを感じられる活動をたくさん実践する。海外を放浪したり、本当にやりたい事業に挑戦したりする。

     フルタイムの職に就いているうちに、社外の、様々な分野の人達と交流し、業種を移っても活用できて評価されやすいスキルと評判を身につけなければならない。

フルタイムで働きながら、先の転職を見据えて、意欲的に異業種交流できる経済的・時間的余裕を持つ人が、一体どれだけいるだろうか?仕事を辞めることは退路を断つことに等しい。特に子供を持つ人は思いとどまるべきだ。激減した収入を子供の教育費を減額して埋め合わせるようなことは、決してあってはならない。45歳にもなって、海外を放浪するなんて、言語道断だ。振り回される子供が可哀そうだ。

 

     1920年のアメリカ人男性の週平均労働時間は50時間だったが、2005年には37時間まで減っている。経済が豊かになれば、労働時間は更に減り、余暇時間は増えていくと予想される。余暇時間をどのように使うかが課題になる。

日本は世界的に見ても労働時間が長い。言い換えると減らせる余地は大きいのだが、生産性の低さを長時間労働でカバーしてきた歴史があり、世界水準に追い付くのは容易ではない。余暇時間が比較的短いため、多様なスキル・経験を持つ人材は生まれにくい環境にある。ただし今の日本で欧米諸国並の余暇時間が確保できたとしても、それを自分への投資に使う人は、あまりいないのではないかと思う。「世界で戦えなければ日本の将来は暗い」と本気で懸念し、危機感を抱いて自分磨きに邁進する人は、ほんの一握りだろう。日本には一億人を超える人口があり、長らく内需だけでも糊口を凌げる状況が続いてきた。だが、そう遠くない未来、人口は確実に1億人を割る。価値観を変えていくためには、労働改革よりも教育改革が必要だと考える。

 

     現状では、育児休暇などでキャリアを中断したり、在宅勤務など時間的に柔軟な働き方を選択したり、仕事をしない期間を設けたりすると、高出世・高所得が得られにくくなる。柔軟な働き方を求める個人のニーズが高まれば、全員を同じスケジュールで長時間働かせたい企業のニーズとの間で激しい衝突が起きるだろう。

柔軟な働き方を求める個人のニーズは高まるだろうが、そのような人達が出世レースから外れてしまう状況は変わらないと思う。なぜなら、労働時間が増えるほど挑戦する機会も増え、評価を受けやすくなるからだ。また長時間労働を厭わない姿勢は、企業への帰属意識が高く、愛社精神に溢れていると見做されるからだ。それに、生産効率を考えると、全員を同じスケジュールで働かせることが、理に適っている業種は多い。柔軟な働き方を認める企業に人気は集まるかもしれないが、その企業が成長できるかどうかは、別の問題だろう。

 

     パートナーを得ることで、何らかの理由で一方の所得が途絶えた時、他方が経済的に支えることができる。結婚によるリスク分散は、二人の稼ぐ力が近い方がうまくいく。

     男女の賃金格差が完全になくなるのは、2085年以降になると予測されている。

同等の経済力を持つパートナーの方が対等な関係を結びやすいというのは同意できる。筆者が提唱する働き方は、高収入のパートナーがいて、なおかつパートナーが挑戦を許容し、社会がその挑戦を評価しなければ、成立しないと思われる。果たして僕が働いている間に、そのような時代がやって来るのだろうか?

 

     テクノロジーのイノベーションと長寿化の進行により、教育産業のニーズは一層高まる。多様化するニーズに応えられない既存勢力は劣勢に立たされ、やがて新興勢力に取って代わられるだろう。

 これは全くその通りだと思う。特に高齢者向けの教育産業は成長が見込まれる。株式投資先に選んでも面白そうだ。ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 あるロリコンの小部屋(別館) - にほんブログ村

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僕が就職活動をしていた頃、シャープは大人気企業だった。会社説明会に参加したこともある。「他の大手電機メーカーと比較して高い利益率」「これまでに一度もリストラをしていない」ことをアピールしていたと記憶している。確かな技術力を持ち、独創的な製品を次々と世に送り出している面白い会社だが、マーケティングや知財戦略が苦手で、いつも後発の会社にシェアを奪われ追い越されている印象があった。世界最大の液晶パネル工場を大阪の堺に建設する計画を聞いた時は、シャープらしくない大博打に出たな、と感じた。安定志向が強く、堅実な社風を求めていた僕は、液晶に一極集中することに危うさを感じ、シャープを就職先候補から外すことにした。シャープの現状を考えると、当時の直感は正しかったと思う。

 

本書は、就職して間もない頃に古本屋で見かけ、表題に惹かれて購入した。シャープの最盛期にあたる2004年の発刊である。シャープの強さを経営指針や制度に着目して詳説している。10年以上前のビジネス書籍を敢えて購入する人はあまりいないだろうが、シャープの今を踏まえながら改めて読んでみると大変興味深かったため、当ブログで紹介したいと思う。

 

【太陽電池事業について】

n  2003年の太陽電池の世界シェアはシャープが4分の1以上を占め、2位以下に圧倒的大差をつけている。

n  アジア勢の電機メーカーの中で、太陽電池事業に参入しているのは日本だけである。

n  太陽電池の製造現場は経験や蓄積がものを言う職人芸の世界で、シャープは40年余りの先行実績があり、優れた技術者が集結しているため、後発で参入しても勝ち目がない。

n  住宅用需要が世界的に拡大傾向にあり、製造コストダウンや変換効率の向上が進めば、一層の消費拡大が見込まれる。

 

日経テクノロジーの記事によると、「太陽電池セルの年間出荷量は増加傾向にあり、2015年は2010年比で3倍弱に急伸している」「2015年の太陽電池セル生産量TOP10に日本企業の名前は無く、上位は中国勢が占めている」「シャープの天下は2007年に終焉を迎え、2012年を最後にTOP10からも姿を消した」「日本企業がシェアを奪い返すことは将来的にもほとんど有り得ない」とのこと。

 

需要拡大の見通しは当たっていたが、40年余りの歳月をかけて培った経験や蓄積による参入障壁は、僅か数年で追い抜かれ、その技術は10年もかからず陳腐化してしまった。たとえ半世紀近い先行実績があったとしても、中国や韓国が本気になれば、510年でシェアは逆転されてしまうということだ。これは太陽電池事業に限った話ではなく、一般論だと思う。近年は設備技術革新が進み、匠の技術すらも再現できるようになりつつあると聞く。将来性のある市場であれば、多額の設備投資が行われ、製造技術の差は一気に詰められてしまう時代が来るだろう。電機業界の市場競争はますます激しくなり、再編・統合も加速していくのではないだろうか。

 

【全社横断の大型開発プロジェクト(通称:緊プロ)について】

n  シャープは1977年にトップダウンで商品開発や技術開発を加速するプロジェクトマネジメントシステム(通称:緊プロ)を制度化した。

n  開発テーマを公募し、有望と認められれば多額の予算と人材を割り当てられる。参画メンバーの半数はリーダーが指名できる。他の事業領域から人材を引き抜くこともできる。

n  リーダーは他部門の人材を率いてプロジェクトを成功に導くという重い責任を負う。その経験が将来の企業リーダーを養成する教育の機会となる。

n  メンバーに選ばれると毎月の進捗報告会などで社長と直接面談する機会を得る。社長から直接激励の言葉をかけてもらえることは、最高に嬉しい。

 

僕が勤めている会社では、研究部門が23年の期間で先進性のある基礎研究に取り組んでいるが、その成果がビジネスに結実することは稀だ。基礎研究は、論文を投稿して学術的に評価されることや特許を取得することがゴールになっていて、製品化して社会にインパクトを与えることや会社の利益を創出することがゴールではないように思える。研究者たちは、「我々の研究は10年先20年先を見据えたものだ」、「量産技術は設計部門や製造部門が確立すべきことだ」、「販促の手法は企画部門や営業部門が考えることだ」と、割り切っているように思える。部門間の懸隔は著しい。

 

シャープの緊プロは、社長が決裁した案件であるため、売り上げや利益につなげることが至上命題となり、全社を挙げて取り組む動機が生まれる。社長のお墨付きがあるため、メンバー構成の自由度も非常に高くなる。これは素直に良い制度だと思う。シャープのユーモラスな製品群が生まれた背景に、緊プロの存在があったことは間違いなさそうだ。社長と定期的に話す機会が得られる点も羨ましく思う。僕にとっては部長ですら遠い存在で、社長には会ったことすらない。雲の上の存在である社長から直々に声を掛けてもらえれば、内容が何であっても、励みになることは疑う余地がない。

 

しかしながら、シャープ凋落の遠因は緊プロではないかとも思う。本書では「シャープには閥がない」と書かれていたが、事業領域間での人材の引き抜き合戦が常態化していたということは、若手時代から競争に晒されてきた幹部間の軋轢は相当に苛烈だったのではないかと推察する。アジア勢(主に韓国、将来的には中国)との厳しい価格競争によって、消耗戦になることは目に見えていたにもかかわらず、堺工場建設という大規模投資に踏み切ってしまったのは、当時の社長が液晶事業部出身の片山氏だったことと、無関係ではないだろう。堺工場建設は、オンリーワンを経営理念としていたシャープが、シェア拡大重視のナンバーワン戦略へと方針転換したことを、示唆しているように思う。

 

【まとめ】

液晶テレビの出荷台数は2010年までは急伸していたが、以降は伸び悩み、これがシャープの大幅な業績悪化を招いた。「液晶テレビの将来性を楽観視していたことが仇になった」との論評が一般的だと思うが、急速な進化を遂げつつあったスマートフォンやタブレットが、テレビの存在意義を奪う兆候は、2000年代後半には感じられたはずである。事業閥が経営理念を歪ませ、誤った経営判断の軌道修正を妨げたというのが、本当のところではないかと思う。ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 あるロリコンの小部屋(別館) - にほんブログ村

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部下(後輩)を指導する際の留意点を、具体的事例を交えて纏めている。記載内容は尤もと感じた。本書で特に印象的だったのは以下の3点である。

 

    最初の3年間は研修期間と考える。

    簡単に答えを教えてはいけない。問い掛けを通じ、自分で答えに気付かせる。試行錯誤(失敗)の経験が無いと、身に付かない。

    課題を達成したら、すぐに、きちんと褒める。成功体験が次のモチベーションになる。

 

 しかし、このような育成方法は、上司(先輩)にとっても部下(後輩)にとっても負担が大きく、読む人によっては空虚な理想論に映るかもしれない。

上司(先輩)は部下(後輩)のために丁度良い難易度の課題を適宜準備しておかねばならない。部下(後輩)が躓いた時に適切なアドバイスができるよう、Q&Aも考えておく必要がある。部下(後輩)を指導するための時間を、こまめに確保しておかなければならない。これは初めて部下(後輩)を持つ上司(先輩)には、かなりハードルが高いと思う。

部下(後輩)は成功体験の前に、いくつかの失敗体験を繰り返すことになる。自分では上手くできていると思っていたのに、何度も手直しを加えることとなり、最終的なアウトプットは原型を留めない。これでは成功体験を自分のものとして実感できないのではないだろうか。また試行錯誤の連続は生産効率を著しく低下させ長時間労働の温床となる恐れがある。「上司(先輩)が、はじめから懇切丁寧に指導してくれていれば、こんなに遅くまで残る必要も無かったのに…」と不満を募らせ、労働意欲を減退させてしまうかもしれない。入社3年以内に離職する若者の大半は、このパターンが多いのではないかと推察する。

上司(先輩)は、指導の意図(育成方針)を部下(後輩)にしっかりと説明し、納得させる必要がある。腑に落ちないまま業務を続けていても、部下(後輩)のパフォーマンスは高まらない。それは当事者である部下(後輩)だけでなく上司(先輩)にとっても不幸なことだ。

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 本書を読んで特に印象に残った記述は以下の4点である。

 ①大失敗をしてしまったら、
  「私に今できることは?」と尋ねよう

 「謝罪を繰り返すばかりでは何も解決しない」「まずは応急処置」「謝るのは落ち着いてからでよい」という極めて合理的な主張であるが、思い返してみると自分がそのように振る舞えていたかは甚だ疑問である。上手くいかなかったことを悔んだり詫びたりする暇があったら、善後策を検討することが担当者の責務であることを改めて自覚することができた。

 ②「あ、私も今日は魚の気分でした」。
  食事は、上司と同じものを頼もう

 これは全く共感できなかった。同調を是とする発想にはむしろ嫌悪感を覚える。各自が食べたいものを好きに頼めばよいではないか。これは協調を重んじる女性ならではの思想だと思う。男は、上長や同僚の食べ物の好き嫌いなど全く興味がないし、違うものを食べようが全く気にしない。どうでもよいのである。

 ③飲み物の温度を合わせることで、
  会話のペースが合ってくる

 これも全く共感できなかった。女性の上長が相手だと、こんなことにまで気を遣わないといけないのか…。おっさんばかりの職場で良かった。

 ④緊張していると感じたら、
  緊張している自分をほめる

 「緊張を感じるのは、その場を大事にしている証拠である」「むしろ緊張しなくなったら終わりである」とは、僕も考えていたが、緊張をポジティブに捉える考えは持ち合わせていなかった。目から鱗である。

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