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商品を購入する前に価格ドットコムの価格推移グラフを確認することが多い。最安値が更新されても「翌日にはさらに下がるかも」と購入を躊躇していたら、期待に反して高騰したという苦い経験は数え切れないほどある。平均価格と最安値の折れ線グラフの変動を見て買い時を適切に判断しなければならないが、これは株価チャートの見方と非常によく似ていると思う。
値下がり値上がりの背景を考えながらグラフを見ると結構面白い。ひとつ実例を挙げてみよう。小容量タイプの高級炊飯器が欲しくなり、今年の1月頃から三菱電機の本炭釜「NJ-SW066」のページをブックマークし、ほとんど毎日、値動きをチェックしていた。「NJ-SW066」のカラーはピュアホワイト(以下、W)とルビーレッド(以下、R)があり、最初のうちは似たような値動きをしていたが、1/25を過ぎたあたりから異なる傾向が見られるようになった。
最安値 | 1/4 | 1/26 | 2/10 | 3/1 |
W | 34,800 | 37,600 | 45,000 | 37,600 |
R | 34,998 | 39,650 | 53,500 | 56,470 |
差異 | 198 | 2,050 | 8,500 | 18,870 |
平均価格 | 1/4 | 1/26 | 2/10 | 3/1 |
W | 42,043 | 46,171 | 52,122 | 45,530 |
R | 42,665 | 47,555 | 57,085 | 58,153 |
差異 | 622 | 1,384 | 4,963 | 12,623 |
最安値 | 2/20 | 2/21 | 2/22 | |
新型(D) | 45,800 | 45,800 | 45,800 | |
旧型(R) | 41,800 | 41,800 | 56,460 | |
差異 | -4,000 | -4,000 | 10,660 | |
平均価格 | 2/20 | 2/21 | 2/22 | |
新型(D) | 56,350 | 57,327 | 57,541 | |
旧型(R) | 54,881 | 58,151 | 58,711 | |
差異 | -1,469 | 824 | 1,170 |
①1/4~:WR共に平均価格の値上がりが始まる。
多少の上下はあったが、2/10頃まで漸増を続け、約5週間で30%前後上昇した。実は2/1に新型「NJ-SW067」がリリースされる予定となっていた。新型は販売当初は高値で取引される。旧型との価格差が大きければ、コスパを考えて旧型を選択するユーザーが増えると予想されるが、価格を下げ過ぎると売り上げが少なくなる。かと言って旧型との価格差が小さければ、「どうせなら新型を買おう」と判断するユーザーが増え、旧型の在庫を処分できない。つまりお値打ち感を演出できる程度に旧型の価格を上昇させることが家電量販店の目指す所となる。他店舗との駆け引きがあるため急峻ではないが、着実に値上がりの方向に動いていったのは、このような思惑があったからではないかと推察する。
②1/25:WR共に底値を記録する。
一部の家電量販店が旧型の在庫処分を図るため大幅値下げを断行したと推察できる。
③1/26~:WとRの価格の乖離が大きくなる。
WとRの価格の差異は概ね数百円程度、割合でいうと1%程度に過ぎなかった。しかし1/26時点で、平均価格は千円以上、最安値は2千円以上の開きが生まれた。
④2/1~:WR共に上昇傾向が強まる。Rが異常に値上がりする。
2/1以降に上昇傾向が強まった推定理由は①に記載したが、Rの異常上昇はこれだけでは説明できない。調べてみると、新型「NJ-SW067」のカラーはWとD(ブロンズ)の2種で、Rはないことが分かった。つまりWが欲しいユーザーは旧型と新型のどちらかを選ぶことができるが、Rが欲しいユーザーは旧型しか選択肢がない。今後の増産が見込めないRに、Wにはない希少価値が生まれたと考えられる。
⑤2/10~:Wの最安値は下降に転じたが、Rは高止まりする。
以後、WとRの最安値は1万5千円程度の差異を維持している。カラー以外の性能は同じなのに…。
⑥2/21:Rの平均価格が新型を上回る。
⑦2/22:Rの最安値が新型を上回る。
新型リリースから僅か3週間でRが逆転を果たした。家電製品の値崩れの速さは驚異的だ。
⑧2月下旬~:Wの最安値は37,000円前後で安定。Rの最安値は56,000円前後で高止まりし、時々40,000~44,000円程度に乱降下。
Rが欲しい人は乱降下したタイミングで即購入した方がよい。Wは新型と数千円しか変わらない。スペック詳細によると、新型には遠赤外線機能が付いていて、消費電力量が若干少なく、年間の電気代が18.9円安くなる。このメリットに価値を感じる人は新型を、どうでもいいと感じる人は旧型を購入すればいいと思う。
結局、炊飯器は購入していない。恐らく新型は旧型と似たような値動きをすると思われる。2017年の1月下旬~2月上旬に、また新製品がリリースされるとすれば、年末年始が底になる可能性が高いと見ている。